株主・投資家の皆様へ

当社の第18期事業年度は、昨年に引き続き電気自動車(EV)向けを中心に出荷量が大幅に増加しました。また、為替レートでドル高の追い風もあり、業績は好調に推移した1年となりました。この勢いは2023年以降も続き、北米も含めた世界的な需要増加になると見込まれます。

この需要の増加に対応するために、当社を含めたEV関連メーカーは迅速な設備増強を進め充分な供給体制を確立していくことが、最も重要な課題となっています。当社では、その供給体制を強化していくために、ハンガリーに生産拠点を整備していくこととし、2024年からの生産開始を目指し、設備投資を進めています。

また他方で、今後はEVの社会的普及を実現するためのコモディティ化が進み、コスト競争は一層厳しさを増していくことが予想されています。そのため、当社では生産性の大幅な向上を目指して、この価格競争に対応するため、既存製膜ラインの改良も進めていきます。

当社は、今まで自動車産業に新規参入し、サプライチューンの一翼を担っていくために、資金的にも人的にも多くの課題を乗り越えてきましたが、これからもさらに大きな可能性に向けて、積極的に挑戦を続けることが、株主の皆様のご期待に沿えるものと確信しております。

さらに、当期からは新規事業としてイオン交換膜事業も開始します。その第1段階として、リチウム精製プラントの一部設備(イオン交換膜モジュール)を生産販売するもので、当社がリチウムイオン電池用セパレーターの生産で培った技術を応用して、今までとは異なった方法によるリチウム精製用設備となります。この案件が取引先様にご評価され、今後、様々な物質の精製で当社のイオン交換膜が利用されることを目指しています。

この度、第18期事業報告をさせていただけること、また第18期事業年度を迎えられることができることは、ひとえに皆様のご支援の賜物であり、役職員一同、心より感謝申し上げます。株主の皆様に対して、当社の成長をご報告できるよう、事業に邁進していく所存です。今後とも、ご支援のほど何卒よろしくお願い申し上げます。

ダブル・スコープ株式会社
代表取締役社長 崔 元根